監視していると思い込んでいた人のところに、診察と称して私を監視しているのではと、問い詰めに行ったりもした。行ったはいいがその人を目の前にしたらちゃんとした話など全然できなかった。ろくにしゃべることもできず、私はとうとう泣き出すしまつで泣きながらなぜか何度も謝っていた。
周りの空気はみるみる悪くなっていくし、その人は露骨に嫌な顔になっていった。そのまま診察室をでると、診察を待つ患者さんで病院は満員になっていた。
普通に流れる時間と、普通に対応する看護師さん。普通に帰宅を急ぐ車たち。なぜ私はこんなに苦しんでいるのだろう。周りはなぜこんなに普通に時間が流れているのだろうと、病院をでたらどんどん涙が溢れてきた。
まるで世界で私1人が仲間はずれにされているような気持ちだっただろうか。一緒についてきてくれていた女性は、ただ静かに私の話を黙ってうなづいて聞いてくれていた。まるで解っていたかのような表情で。いや、解っていたのだろう。私が狂っていることを。
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